TCG−コスト1(C1)


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プロローグ
受付



【プロローグ】

 星見の塔の裏側にある円形闘技場――コロシアム・ワン。
 混合拒絶の魔力場において、戦士たちは純然たる技の極みを求めていた。
 ――誰が一番強いのか。
 命題自体は単純だ。ただしそれを証明するに、時間と場所と人を要した。
 十九名が集められた。
 白いローブを羽織った女は柱に隠れて確認した。
「また奇数?」
 眉根を寄せて嘆息した。人数合わせはいつも彼女の役割だ。赤いドリルを装備して、二十人目のエントリーを名乗ることとなってしまった。
「またにんじんにしてやろっと」
 開幕式。大きな地震が一つ起きた。



【受付】

「なんて素敵な女だろう」
 風になびく長い茶髪を見送った。受付員は大きな口で息を吐いた。
 最初はこんな役割なんてやってられっかと思っていたけど、あのひととの会話はおれのハートを打ち抜いたぜ――と、物思いにふけっている。
「あのー。登録して欲しいんですけど誰かいませんかー」
 今度は別の女が来た。なんだ、ガキか。受付員は知らんぷり。
「受付いないの? おーい」
 変な格好をした女は、きょろきょろと辺りを見回した。気づかないなんて馬鹿なやつ。ま、気づかないなら気づかないで、仕事が減るからいいんだけど。
「あれ、らくがきが浮いている。変な顔ー!」
 受付員の可視できる部分を見つけて、げらげらと女は笑い転げた。腰が揺れて、スカートがめくれ、白いパンツがちょっと見えた。